なぜなら、木を再現するのに、木の種類や構造について分かっていないと作れないからだ。
今回は、街路樹の木についてまとめる。
街路樹はどんなものがある?
神戸で多く使われてる街路樹
お洒落な街で良く挙げられる神戸の街路樹。神戸市
のホームページによれば、以下である。
| 高木(3m以上) | 中木(1~3m) | 低木(1m未満) |
|---|---|---|
| クスノキ | サザンカ | ヒラドツツジ |
| ケヤキ | トウネズミモチ | アベリア |
| イチョウ | ムクゲ | シャリンバイ |
| トウカエデ | サンゴジュ | トベラ |
| アメリカフウ | ウバメガシ | スドウツゲ |
横浜で多く使われている街路樹
次に、横浜の街路樹は、以下だ。- イチョウ
- ユリノキ
- サクラ類
- ケヤキ
- ハナミズキ
- トウカエデ
- ハナノキ
- クスノキ
- アキニレ
- プラタナス
国土交通省による街路樹ランキング
Wikipediaによる国土交通省のデータは、2025年現在では、街路樹のランキングは以下のように書かれている。おそらくデータとは、こちらのデータからだ。
Wikipedia
街路樹の高木ランキング
| 1位 | イチョウ | 52万本(8%) |
| 2位 | サクラ | 52万本(8%) |
| 3位 | ケヤキ | 45万本(7%) |
| 4位 | ハナミズキ | 35万本(6%) |
| 5位 | トウカエデ | 30万本(5%) |
| 6位 | クスノキ | (4%) |
| 7位 | 日本産カエデ類 | (3%) |
| 8位 | ナナカマド | (3%) |
| 9位 | モミジバフウ | (2%) |
| 10位 | クロガネモチ | (2%) |
街路樹の低木ランキング
同じく、国土交通省のデータから、低木を多い順に並べてみた。| 1位 | ツツジ類 | 6270万本(44%) |
| 2位 | シャリンバイ類 | 973万本(7%) |
| 3位 | アベリア類 | 930万本(7%) |
| 4位 | サザンカ類 | 528万本(4%) |
| 5位 | ドウダンツツジ類 | 467万本(3%) |
| 6位 | セイヨウツゲ | 371万本(3万) |
ツツジが圧倒的に多いですね。
有名な街路樹の名前と特徴
高木の街路樹の名前と一覧
3DCGで再現する際には、適した街路樹の設置場所も知る必要がある。では、それぞれの街路樹と特徴を書いていく。
イチョウ(銀杏)
幹線道路が多い。
銀杏の幹(トランク)
- 形状
-
- 若木ならまっすぐでややスリム。
老木なら太く、根元がどっしりと膨らみ、幹の中央〜上部にかけて少し絞られる。 - 若木ならまっすぐでややスリム。
- 表面
-
- 樹皮は灰褐色〜やや赤みのある灰色。
老木では深く縦に走る割れ目(クラック)があったりする。 - 樹皮は灰褐色〜やや赤みのある灰色。
- 質感
-
- やや乾いたマットな質感。
- やや乾いたマットな質感。
銀杏の枝(ブランチ)
- 構造
-
- 幹から比較的上方向に伸び、末端で扇状に広がる。
長枝と短枝の区別を意識するとリアル。
長枝:伸びのある枝。
短枝:葉が束状に出る部分。 - 幹から比較的上方向に伸び、末端で扇状に広がる。
- 配置
-
- 均一ではなく、塊で偏りがある方が自然。
幹の根元にはあまり枝をつけず、上部から放射状に展開させる。 - 均一ではなく、塊で偏りがある方が自然。
銀杏の葉(リーフ)
- 形状
-
- 扇形(うちわ形)。中央に浅いV字の切れ込みを入れる。
縁はやや波打つ。
表面には放射状の細かい葉脈(法線マップやアルベドで再現)。 - 扇形(うちわ形)。中央に浅いV字の切れ込みを入れる。
- 配置
-
- 枝の先に小さな束状で生える。
3DCGでは、単体ではなく、10〜30枚を1クラスターにまとめたカード状アセットを使うと効率的。 - 枝の先に小さな束状で生える。
- 色
-
- 夏:明るい黄緑〜中緑。
秋:鮮やかな黄色(#FFD300〜#E6B800)。
紅葉時は全体を統一した黄一色で表現するのが特徴的。 - 夏:明るい黄緑〜中緑。
サクラ(桜)
住宅道路、公園、川沿い道路が多い。
桜の幹(トランク)
- 形状
-
- 幹はやや細めで、曲線的にうねることがある。
成木になると根元は太くなるが、イチョウほど直立は強くない。 - 幹はやや細めで、曲線的にうねることがある。
- 表面
-
- 灰褐色〜茶色で、浅い縦の割れ目や横の節がある。
樹皮は年数が経つと薄く剥がれることがあり、少しデコボコ感がある。 - 灰褐色〜茶色で、浅い縦の割れ目や横の節がある。
- 質感
-
- 粗さは中程度、少し湿った質感に見えることもある。
- 粗さは中程度、少し湿った質感に見えることもある。
桜の枝(ブランチ)
- 構造
-
- 幹から細かく枝が斜め上〜横方向に広がる。
細枝は細かく分岐し、葉と花の密度を作る。 - 幹から細かく枝が斜め上〜横方向に広がる。
- 特徴
-
- 桜の枝は自然にやや垂れ下がる場合が多い(特に枝垂れ桜)。
枝の長さや角度はランダムに近く、不規則な樹形を意識すると自然。 - 桜の枝は自然にやや垂れ下がる場合が多い(特に枝垂れ桜)。
- 短枝
-
- 小枝の先端に葉や花が密集するので、枝の細かさを表現するとリアル。
- 小枝の先端に葉や花が密集するので、枝の細かさを表現するとリアル。
桜の葉(リーフ)
- 形状
-
- 単葉、卵形または細長い三角形に近い。
縁は鋸歯状。 - 単葉、卵形または細長い三角形に近い。
- 配置
-
- 春は芽吹きで葉は少なめ、花が咲く前後で緑が増える。
葉を小枝にランダムにばらまくのが自然。 - 春は芽吹きで葉は少なめ、花が咲く前後で緑が増える。
- 色
-
- 春:薄い黄緑〜緑。
夏:濃い緑。
秋:黄色〜赤っぽい茶色。 - 春:薄い黄緑〜緑。
ケヤキ(欅)
表参道のケヤキ並木。
幹線道路が多い。
欅の幹(トランク)
- 形状
-
- 若木は直立し細めだが、成木は太くなり根元がやや膨らむ。
幹は曲がることもあり、自然なうねりが出やすい。 - 若木は直立し細めだが、成木は太くなり根元がやや膨らむ。
- 表面
-
- 樹皮は灰褐色〜暗褐色。
縦に深く裂け目が入り、古木は板状にはがれることがある。 - 樹皮は灰褐色〜暗褐色。
- 質感
-
- 粗めのマット質感、ノーマルマップで割れ目を強調するとリアル。
- 粗めのマット質感、ノーマルマップで割れ目を強調するとリアル。
欅の枝(ブランチ)
- 構造
-
- 幹から力強く枝を伸ばし、上方向と横方向に分岐。
枝先はやや垂れる傾向がある。 - 幹から力強く枝を伸ばし、上方向と横方向に分岐。
- 特徴
-
- 長枝・短枝の違いは明確ではないが、小枝が複雑に分岐して葉を支える。
都市樹として剪定される場合、枝の密度や形状が制御される。 - 長枝・短枝の違いは明確ではないが、小枝が複雑に分岐して葉を支える。
欅の葉(リーフ)
- 形状
-
- 卵形〜楕円形で、先端が尖る。
縁は鋸歯状。 - 卵形〜楕円形で、先端が尖る。
- 配置
-
- 小枝の先端に束状に生える。
春の芽吹きは黄緑、夏は濃緑、秋は黄色〜赤褐色に紅葉。
葉はアルファカードや小クラスターで表現。
秋は色のランダム幅を出すと自然。 - 小枝の先端に束状に生える。
ハナミズキ(花水木)
住宅道路、公園などが多い。
花水木の幹(トランク)
- 形状
-
- 幹は比較的細く、真っすぐ立つことが多い。
樹齢を重ねると、少しうねりや節が出る。 - 幹は比較的細く、真っすぐ立つことが多い。
- 表面
-
- 樹皮は灰褐色で、薄くはがれるような質感(縦割れというより、板状に小さく剥がれる)。
細かい凹凸をノーマルマップで表現するとリアル。 - 樹皮は灰褐色で、薄くはがれるような質感(縦割れというより、板状に小さく剥がれる)。
- 質感
-
- やや乾いたマットな質感。反射は控えめ(Roughness高め)。
- やや乾いたマットな質感。反射は控えめ(Roughness高め)。
花水木の枝(ブランチ)
- 構造
-
- 幹から水平またはやや斜め上方向に伸びる枝が多い。
枝先が放射状に広がり、全体として整った円形シルエットを形成。 - 幹から水平またはやや斜め上方向に伸びる枝が多い。
- 特徴
-
- 枝の密度は中程度。
樹形は段状(層をなすよう)に広がることが多く、花の層を作ると自然。
モデリングのコツ
幹から枝を放射状に数段配置し、層構造を意識するとリアル。 - 枝の密度は中程度。
花水木の葉(リーフ)
- 形状
-
- 卵形〜楕円形で、先端が尖る。
葉脈は中央から放射状に明瞭に走る(リーフテクスチャで重要)。 - 卵形〜楕円形で、先端が尖る。
- 配置
-
- 小枝の先端に対生(左右対称)で生える。
葉は花期には少なく、花が散った後に繁る。 - 小枝の先端に対生(左右対称)で生える。
- 色
-
- 春:淡い緑。
夏:濃緑。
秋:赤〜オレンジに紅葉。
表現ポイント
明るめの葉色で、透過光(Translucency)を強めに設定すると、柔らかく自然。 - 春:淡い緑。
トウカエデ(唐楓)
唐楓の幹(トランク)
- 質感
-
- 若木のうちは滑らかで灰褐色〜淡い茶色。
成木になると樹皮が薄くはがれ、まだら模様(パッチ状)になる。 - 若木のうちは滑らかで灰褐色〜淡い茶色。
- 模様
-
- 灰色・茶色・黄土色・橙色が混じるため、PBRマテリアルではアルベドマップに微妙な色むらを入れるとリアル。
- 形状
-
- 比較的まっすぐで、根元が太く安定感のある樹形。
幹の分岐はやや高めから始まり、枝が放射状に広がる。 - 比較的まっすぐで、根元が太く安定感のある樹形。
唐楓の枝(ブランチ)
細く、やや上向きに広がる。
他のカエデ類(イロハモミジなど)に比べて、全体的に枝が密に出る。
若枝は赤褐色〜灰褐色で、やや滑らか。
枝の分岐はY字状が多く、均等なシルエットを作る傾向。
遠景モデルでは、枝先がやや丸みを帯びるような「樹冠」シルエットを意識すると自然。
唐楓の葉(リーフ)
- 形状
-
- 3裂(まれに5裂)のカエデ型の葉。
各裂片は丸みがあり、他のモミジより角がやわらかい。
葉の大きさは3〜6cmほどと小さめ。 - 3裂(まれに5裂)のカエデ型の葉。
- 色
-
- 春〜夏:濃い緑。
秋:橙色~赤色~黄褐色と多彩な紅葉を見せる。
紅葉表現では、赤単色より赤+橙+黄色のグラデーションテクスチャがリアル。 - 春〜夏:濃い緑。
- 配置
-
- 対生(枝に向かい合わせに付く)で、葉の密度は高め。
- 対生(枝に向かい合わせに付く)で、葉の密度は高め。
クスノキ(楠)
楠の幹(トランク)
- 質感
-
- 太くどっしりとした幹が最大の特徴。
樹皮は灰褐色〜暗褐色で、深い縦割れ(縦方向のひび)が多数入る。
年を経た幹はごつごつと隆起し、根元にコブやうねり(根張り)ができやすい。
樹齢を感じさせる場合は、ノーマルマップで深い縦筋と凹凸感を強調。 - 太くどっしりとした幹が最大の特徴。
- 幹の形
-
- 若木はまっすぐだが、老木は幹の基部が太く、樹皮の段差やねじれが出る。
3DCGでは、トランク部分にわずかな湾曲とねじりを加えるとリアル。 - 若木はまっすぐだが、老木は幹の基部が太く、樹皮の段差やねじれが出る。
楠の枝(ブランチ)
幹から太く力強い枝が放射状に伸び、枝先が水平~やや上向き。
枝分かれは不規則で、自然なうねりと重厚感がある。
細枝はやや細めで、枝の先端に向かって滑らかに細る。
枝量は多く、樹冠が非常に密になるため、3DCGでは葉のボリュームを意識。
楠の葉(リーフ)
- 形状
-
- 長楕円形で、先端がやや尖り、縁は滑らか(鋸歯なし)。
葉脈が3本に分かれる「三行脈」がはっきり見える。 - 長楕円形で、先端がやや尖り、縁は滑らか(鋸歯なし)。
- 色と質感
-
- 表面は濃い緑で光沢が強い(ツヤあり)。
裏面は淡い緑〜黄緑。
若葉は明るい黄緑で、新旧の色差が出やすい。
シェーダーでは微妙なスペキュラー反射を入れるとリアル。 - 表面は濃い緑で光沢が強い(ツヤあり)。
- 配置
-
- 枝先に葉が密集する。
常緑なので、全季節で葉が多く、光を通しにくい濃い樹冠になる。 - 枝先に葉が密集する。
低木の街路樹の名前と一覧
ツツジ(躑躅)
ツツジの幹(トランク)
- 形状
-
- 樹高は1〜3m程度が多く、細くて短い幹が特徴。
幹自体は曲がりやすく、自然なうねりがある。 - 樹高は1〜3m程度が多く、細くて短い幹が特徴。
- 樹皮
-
- 薄い灰褐色〜褐色で、ややざらつきあり。
年数が経つと、枝の根元や幹に小さなコブや節ができる。 - 薄い灰褐色〜褐色で、ややざらつきあり。
ツツジの枝(ブランチ)
幹から細かく枝が放射状に分岐。枝の先端に葉と花が密集。
密度は高く、低木でもボリューム感を出すのがポイント。
ツツジの葉(リーフ)
- 形状
-
- 卵形〜楕円形で小さく、先端が丸い。
表面は光沢があり、裏面はやや淡い緑。 - 卵形〜楕円形で小さく、先端が丸い。
- 配置
-
- 枝先に束状に付くことが多く、密度は中〜高。
- 色
-
- 春〜夏:濃緑、光沢あり。
秋〜冬:やや黄色くなる場合もあるが、常緑性の品種も多い。 - 春〜夏:濃緑、光沢あり。
シャリンバイ(車輪梅)
岡山 太陽のそばの果樹園
最後に・・・
今回は- 街路樹はどんなものがある?
- 有名な街路樹の名前と特徴
最後までお読み頂きありがとうございました。
[カテゴリ]
2025年10月14日
関連記事
キャラクターの口パクさて、いきなり3Dモデルを作るのは難しい、あるいは3Dはなかな...
2025年06月08日
同じようなオブジェクトがある場合、それぞれのオブジェクトごとにマテリアルを同じ設定をす...
2025年06月13日