デジタルカメラの種類
レンズ交換式カメラ(ILC)
レンズ交換式カメラの概要
レンズ交換式カメラ(ILC)は、レンズを交換できるため、本格撮影や特殊な撮影に向いています。用途や撮影目的に応じてレンズを交換でき、大きなセンサーを搭載する機種が多く、高画質で表現の幅が広い撮影ができます。
ILCは、Interchangeable-Lens Cameraの略で、
- Interchangeable = 交換可能
- Lens = レンズ
- Camera = カメラ
つまりレンズが交換できるカメラのことです。
レンズ交換式カメラの主な用途
人物撮影
大きなセンサーと明るいレンズを使えるため、背景を綺麗にぼかしたポートレート撮影ができます。また肌の質感や色を自然に表現しやすく、人物の魅力を引き出した写真を撮りやすいです。
風景写真
高解像度のセンサーと広角レンズを使用できるため、広い景色を細部まで鮮明に写すことができます。また絞りやレンズを使い分けることで、奥行きや立体感のある風景表現がしやすいです。
スポーツ撮影
高速シャッターや高性能オートフォーカスにより、速く動く被写体でもピントを合わせて撮影できます。さらに望遠レンズを使うことで、遠くにいる選手の動きも大きく迫力ある写真として撮影できます。
野鳥・動物
超望遠レンズを使えるため、人が近づけない距離にいる動物や野鳥でも大きく写すことができます。また高感度性能が高いため、森や夕方など光が少ない環境でも比較的きれいに撮影できます。
商品撮影
マクロレンズや高解像度センサーを使うことで、商品の細かな質感やディテールを鮮明に表現できます。さらに照明や絞りを細かく調整できるため、商品写真として見やすく整った撮影がしやすいです。
動画制作
大きなセンサーによる自然なボケ表現や高画質な映像を撮影できるため、映像作品のような動画を作れます。またレンズを交換することで、広角・望遠などさまざまな画角の映像表現が可能です。
コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)
コンデジの概要
コンパクトデジタルカメラは、レンズが本体に固定された小型のデジタルカメラです。操作が比較的簡単で、持ち運びやすく気軽に撮影できることが特徴です。
旅行や日常の記録など、手軽な写真撮影によく使われます。
コンデジの主な用途
旅行撮影
コンパクトデジタルカメラは小型で軽量なため、旅行先でも持ち運びやすく気軽に撮影できます。またズームレンズが一体になっているため、広い風景から遠くの被写体まで簡単に撮影できます。
日常の記録
操作がシンプルで自動設定が充実しているため、家族や日常の出来事を手軽に記録できます。カメラを取り出してすぐに撮影できるため、気軽なスナップ写真に向いています。
Vlog・簡易動画撮影
小型で取り回しが良く、手持ちでも安定して動画を撮影しやすい特徴があります。また自動露出やオートフォーカスが働くため、特別な設定をしなくても動画を撮影できます。
イベントや記録撮影
学校行事やイベントなどで、難しい設定をせずに安定した写真を撮影できます。ズーム機能を使うことで、離れた場所からでも被写体を大きく写すことができます。
レンズ交換式カメラ(ILC)の種類
一眼レフカメラやミラーレスカメラを合わせて、レンズ交換式カメラ(ILC)といいます。その中に、
- 一眼レフ(DSLR)
- ミラーレス(MILC)
一眼レフカメラ(DSLR)とは
一眼レフカメラは、レンズから入った光をミラーで反射させて光学ファインダーで確認できるカメラです。この仕組みはフィルム時代から使われており、長く写真撮影の主流として発展してきました。
しかし近年はミラーレスカメラの普及により、新しい機種の開発は減少しています。
一眼レフの有名なメーカー
Canon
キャノン(キヤノン)は、日本メーカーで世界トップクラスのシェアです。キャノンで有名ですが、公式の表記はキヤノンです。
Canonの特徴
- 色がきれい(特に人物)
- 操作が分かりやすい
- レンズが豊富
Canonの代表シリーズ
- Canon EOS 6D Mark II
- Canon EOS 5D Mark IV
- Canon EOS-1D X Mark III
Canon EOS 6D Mark IIに関しては、
こちらのページ
に詳しく書いています。
Nikon
Nikonは、Canonと並ぶ一眼レフの2大メーカー。Nikonの特徴
- 画質が非常に良い
- 風景写真に強い
- シャープな描写
Nikonの代表シリーズ
- Nikon D850
- Nikon D780
- Nikon D6
Pentax
現在は Ricoh のブランド。Pentax特徴
- 防塵防滴が強い
- 光学ファインダーが優秀
- 一眼レフを今でも重視している
Pentaxの代表機
- Pentax K-1 Mark II
- Pentax K-3 Mark III
ミラーレスカメラ(MILC)とは
ミラーレスカメラは、一眼レフのミラー機構を省き、センサーの映像を電子ファインダーや液晶画面で確認するカメラです。2000年代後半に実用化され、小型化や高性能オートフォーカスなどの利点から急速に普及しました。
現在では多くのメーカーの主力となり、一眼レフに代わるレンズ交換式カメラとして広く使われています。
ミラーレスカメラの有名なメーカー
Sony
Sonyの特徴
- ミラーレス市場を早くからリードしたメーカー
- 高性能オートフォーカス(瞳AFなど)が強い
- 動画性能が高くクリエイター向けモデルも多い
Sonyの代表シリーズ
- Alpha(αシリーズ)
- VLOGCAM
Canon
Canon特徴
- 自然な色表現と人物撮影の評価が高い
- 操作が分かりやすく初心者からプロまで人気
- 一眼レフからミラーレスへ大きく移行したメーカー
Canonの代表シリーズ
- Canon EOS R system
Nikon
Nikonの特徴
- 高い光学技術とシャープな描写
- 堅牢なボディと信頼性の高さ
- プロ向け高速機や高解像度機が強い
Nikonの代表シリーズ
- Nikon Z system
Fujifilm
Fujifilm特徴
- フィルムメーカー由来の色再現(フィルムシミュレーション)
- レトロデザインのカメラ
- APS-Cや中判ミラーレスに強み
Fujifilm代表シリーズ
- Fujifilm X series
- Fujifilm GFX system
レンズ交換式カメラ(ILC)の基本
カメラの明るさは、- シャッタースピード
- 絞り値(F値)
- ISO感度
これらは、コンパクトデジタルカメラでは自動になっていたりします。
対して、レンズ交換式カメラ(ILC)は、これらを手動で設定することができます。
シャッタースピード
シャッタースピードは、シャッターが開いている時間を表す値です。速くすると動いている被写体を止めて撮影でき、遅くすると光を多く取り込めます。
遅すぎると手ブレや被写体ブレが起こりやすくなります。
シャッタースピードの特徴
速い値(1/1000秒等)
→ 動きを止める→ 暗くなる
遅い値(1秒等)
→ 明るくなる→ 手ブレ・被写体ブレが出る
シャッタースピードの設定例
| 鳥や飛行機 | 1/1000〜1/2000秒 |
| スポーツ | 1/500〜1/1000秒 |
| 子どもやペット | 1/250〜1/500秒 |
| 普通の撮影 | 1/60〜1/250秒 |
| ポートレート(人物) | 1/125秒 |
| 花や静物 | 1/60〜1/125秒 |
| 流し撮り | 1/30〜1/125秒 |
| 水の流れ | 1/2〜2秒 |
| 夜景 | 1秒以上 |
| 花火 | 2〜10秒 |
| 星空 | 10〜20秒 |
絞り値(F値)
絞り値(F値)は、レンズの中で光が通る穴の大きさを表す数値です。F値が小さいほど多くの光を取り込み、背景がぼけやすくなります。
F値が大きいほど画面全体にピントが合いやすくなります。
絞り値の特徴
小さいF値(1.8等)
→ 明るい→ 背景ボケが強い
大きいF値(8等)
→ 暗い→ 全体にピントが合う
絞り値の設定列
| ポートレート | F1.8〜F2.8(人以外ぼかす) |
| 料理写真 | F2.8〜F4(机をぼかす) |
| 花 | F2.8〜F4(背景をぼかす) |
| テーブルフォト | F2.8〜F5.6(小物・雑貨) |
| スナップ写真 | F5.6〜F8(街中など) |
| 集合写真 | F5.6〜F8 |
| 風景・建築物 | F8〜F11 |
ISO感度
ISO感度は、カメラのセンサーが光をどれだけ強く感じ取るかを表す値です。数値を上げると暗い場所でも明るく撮れますが、画像にノイズが出やすくなります。
明るい場所では低いISOにすると、よりきれいな写真になります。
ISO感度の特徴
小さいISO値(100等)
→ きれい→ 暗い
大きいISO値(3200等)
→ 明るい→ ノイズが増える
ISO感度の設定例
| 昼 | 100 |
| 室内 | 400〜800 |
| 夜 | 1600以上 |
レンズ交換式カメラ(ILC)の基本2
露出補正
露出補正とは、カメラが自動で決めた明るさを意図的に明るくしたり暗くしたりする機能です。カメラの測光結果は必ずしも正しいとは限らないため、撮影者が補正することで自然な明るさに調整できます。
露出補正は通常、±EV(Exposure Value)で表示されます。
- +:明るくする
- −:暗くする
例えば、逆光のポートレートでは顔が暗くなりやすいため、プラス補正を行うことで自然な明るさになります。
プラス補正の例
- 逆光 → +補正
- 白い雪景色 → +補正
マイナス補正
- 黒い被写体 → −補正
- 夜景 → −補正
測光モード
測光モードとは、カメラが画面のどこを基準に明るさを判断するかを決める機能です。主な測光モードは次の通りです。
評価測光(マルチ測光)
画面全体の明るさを分析して露出を決定する方式で、現在のカメラで最も一般的です。中央重点測光
画面中央の明るさを重視して露出を決定します。ポートレートなどで使われることがあります。
スポット測光
画面のごく小さな部分の明るさを基準に露出を決定します。強い逆光など特殊な状況で使用します。
ピント(オートフォーカス)
オートフォーカス(AF)は、カメラが自動でピントを合わせる機能です。被写体の動きに応じてAFモードを使い分けることで、より正確にピントを合わせることができます。
AF-S / ワンショットAF
静止している被写体に適したオートフォーカスモードです。シャッターボタンを半押しするとピントが固定されます。
風景、建築、ポートレートなどの撮影に向いています。
AF-C / AIサーボAF
動いている被写体に適したオートフォーカスモードです。シャッターボタンを半押ししている間、カメラが被写体の動きを追い続けてピントを調整します。
スポーツや動物などの撮影に向いています。
AFポイント選択
AFポイントとは、画面内のどこにピントを合わせるかを指定する機能です。通常はカメラが自動で選択しますが、撮影者がポイントを指定することもできます。
ポートレートでは、人物の目にAFポイントを合わせるのが基本です。
ホワイトバランス
ホワイトバランスとは、光の色の違いを補正して、自然な色に調整する機能です。光源によって写真の色味は変化します。
ホワイトバランスの例
- 電球 → オレンジ色になる
- 蛍光灯 → 緑っぽくなる
- 曇り → 青っぽくなる
ホワイトバランスを適切に設定することで、被写体を自然な色で撮影できます。
主なモード
- オート
- 太陽光
- 曇り
- 電球
- 蛍光灯
レンズの使い分け
レンズ交換式カメラの大きな特徴は、用途に応じてレンズを交換できることです。レンズは焦点距離によって写る範囲や写真の印象が変わります。
超広角レンズ(約24mm未満)
非常に広い範囲を写すことができるレンズです。遠近感が強調され、手前の被写体が大きく、奥が小さく写ります。
- 風景写真
- 建築撮影
- 室内撮影
- ダイナミックな構図の写真
広角レンズ(約24〜35mm)
人間の視野より広い範囲を写せるレンズです。風景や街のスナップなどでよく使われます。
- 風景写真
- スナップ写真
- 建築撮影
標準レンズ(約35〜50mm)
人間の視野に近い自然な画角のレンズです。歪みが少なく、最も汎用的に使われます。
- スナップ写真
- ポートレート
- 日常撮影
望遠レンズ(約85mm以上)
遠くの被写体を大きく写すことができるレンズです。背景がぼけやすく、被写体を強調した写真を撮ることができます。
- ポートレート
- スポーツ撮影
- 動物撮影
カメラの撮影モードと呼称の違い
ILCやコンパクトデジタルカメラには、以下のような撮影モードがあります。- A+(全自動)
- CA (クリエイティブオート)
- SCN(シーン)
- Pモード (プログラムAE)
- Tvモード (シャッター優先AE)
- Avモード(絞り優先AE)
- Mモード (マニュアルモード)
- Bモード(バルブ)
- カスタム
下記に簡単に解説していますが、それぞれの機能の詳細は
こちらの記事
に書いています。
コンパクトデジタルカメラは、これらは簡略化されたり自動であったりします。
そのため、機種によっては、
- Av(絞り優先)
- Tv(シャッター優先)
- M(マニュアル)
A+またはAuto(オート)
カメラがシーンを自動判別し、シャッタースピード・絞り・ISOなどをすべて自動で設定します。初心者でも設定を気にせず、簡単に撮影できるモードです。
CanonはA+、その他のメーカーはAutoなどです。
CA(クリエイティブオート)
Canonのモードには、CA(クリエイティブオート)があります。基本は自動ですが、「背景をぼかす」「明るくする」などを簡単な操作で調整できます。
専門的な設定を知らなくても、写真の雰囲気を変えられるモードです。
SCN(シーン)
シーンモードは、ポートレート、夜景、スポーツなど、撮影シーンに合わせた設定を自動で選びます。特定の状況に適した設定をカメラが行うため、失敗しにくいモードです。
P(プログラムAE)
Pモード(プログラムAE)は、シャッタースピードと絞りをカメラが自動で決めますが、ISOや露出補正などは自分で調整できます。自動と手動の中間のようなモードで、柔軟に撮影できます。
TvまたはS(シャッター優先AE)
Tvモード(Canon)またはSモード(SonyやNikon)は、シャッタースピードを自分で設定し、絞りはカメラが自動で調整します。動いている被写体を止めたり、動きを流したりする撮影に適しています。
AvまたはA(絞り優先AE)
Avモード(Canon)またはAモード(SonyやNikon)は、絞り(F値)を自分で設定し、シャッタースピードはカメラが自動で決めます。背景のぼけ具合や、画面全体のピントの範囲をコントロールしたいときに使います。
M(マニュアル)
Mモード(マニュアルモード)は、シャッタースピードと絞りをすべて自分で設定して撮影します。撮影者の意図どおりに露出を細かく調整できるモードです。
B(バルブ)
Bモード(バルブ)は、シャッターボタンを押している間だけシャッターが開き続けます。星空や光跡など、長時間露光の撮影に使用します。
カスタム
カスタムモードは、よく使う撮影設定を登録しておき、ダイヤルを回すだけで呼び出せます。撮影状況ごとに設定を保存しておくと、すばやく切り替えて撮影できます。