写真や動画を自動でiCloudにバックアップしていると、すぐに容量がいっぱいになり、更に高い月々の料金を要求されます。
特にiPhoneで写真編集や動画編集をしていると、どんどんと容量が増えていきます。
例えばiPhoneの本体容量が512GBで、そのうち210GBが写真や動画データだったとすると、もし写真アプリをiCloudに自動バックアップに設定してしまっていると、iCloudの月額料金だけで1300円かかってしまいます。
写真アプリのiCloud自動バックアップをするかしないかの設定は、
設定アプリ
↓
自分の名前
↓
iCloud
↓
写真
↓
iCloud写真
で設定出来ます。

画像では緑色になっていますが、ここはOff(白色の状態)にしておいた方が良いでしょう。
そして、写真アプリのiCloud自動バックアップをOffにしていても、iPhoneでの写真や動画の編集作業をしていると、iPhone本体にもデータ容量がすぐに多くなって来ます。
そうなった場合、どこでどのような方法で写真や動画などを保存していくのが一番楽でセキュリティも安全なのかをまとめてみました。
クラウドストレージに保存する
まずは一番考えられるのがクラウドストレージです。クラウドストレージとは、Web上にデータを保存するサービスのことで、iCloudもクラウドストレージの一つです。
iCloud

やはりiPhoneユーザーで一番身近なのはiCloudでしょう。
自動で同期出来るのも魅力的です。
ただ、上記でも書きましたが、写真や動画を全て自動でiCloudにバックアップしていると、すぐに容量がいっぱいになり、更に高い月々の料金を要求されます。
料金
5GB | 無料 |
50GB | 月額130円 |
200GB | 月額400円 |
2TB | 月額1,300円 |
メリット
- 同じAppleなので安心
- 自動でバックアップできる
- icloud.comで、iPhoneからパスコードでログインが簡単にできる
- iPhone端末と同じように自動でフォルダ分けされる
デメリット
- 個別にバックアップできない
個別に写真を選択してバックアップする方法は「共有アルバム」という機能があります。
ただ本来この機能はiCloud上に保存した写真などを第三者に見せる機能です。
第三者に公開しなければ、個別バックアップという形にはなります。
ただ、注意点があり、共有アルバムにデータをコピー(投稿)すると画質が落ちます。
具体的には、
- 写真:長辺が最大2048pxに縮小
(パノラマ写真の最大幅は5400px) - ビデオ:最長15分最大720p
正直仕事で写真や動画を扱うのであれば、2048pxの写真も720pの動画も使い物にならないので控えるべきでしょう。
iPhoneの共有アルバム機能 写真とiCloudについて
Googleフォト

写真のクラウドストレージでGoogleフォトも有名です。
大手Googleなので有名なので安心感もあります。
ただ、2021年5月31日をもって写真や動画を無制限に保存できるサービスが終了し、6月以降は無料で使える容量が15GBまでに制限されてしまいました。
Googleフォトアプリを iPhoneにインストールして使います。
自動アップロード機能が搭載されているので、アプリを起動しているだけでGoogleサーバーに写真をバックアップできます。
以下が料金です。
料金
15GB | 無料 |
100GB | 月額250円 (年間プラン2,500円) |
200GB | 月額380円 (年間プラン3,800円) |
2TB | 月額1,300円 (年間プラン13,000円) |
10TB | 月額6,500円 |
20TB | 月額13,000円 |
30TB | 月額19,500円 |
iCloudと同じで、200GBを超えると月額1300円かかります。
無料の15GBは、GメールとGoogleドライブの容量を合わせて15GBとなっています。
Googleフォト
Amazon Photos

Amazonにもクラウドストレージのサービスがあります。
Amazonも大手の企業で、近年はクラウド関連の様々なサービスを拡張してきてるので、その辺は安心できますね。
Amazon Photosアプリを iPhoneにインストールして使います。
自動アップロード機能が搭載されているので、アプリを起動しているだけでAmazonサーバーに写真をバックアップできます。
Amazonプライム会員の場合は、容量無制限での写真ストレージと、5GBのビデオストレージを利用出来ます。
料金
5GB | 無料 |
100GB | 月額250円 (年間プラン2,500円) |
1TB | 月額1,300円 (年間プラン13,800円) |
2TB | 月額2,600円 (年間プラン27,600円) |
3TB | 年間41,400円 |
4TB | 年間55,200円 |
5TB | 年間60,900円 |
10TB | 年間60,900円 |
20TB | 年間138,000円 |
20TB | 年間276,000円 |
30TB | 年間414,000円 |
iCloudよりも小さい100GBを超えると月額1300円かかります。
DropBox

DropBoxは古くからあるクラウドストレージの定番の一つです。
DropBoxアプリを iPhoneにインストールして使います。
自動アップロード機能が搭載されているので、アプリを起動しているだけでDropBoxサーバーに写真をバックアップできます。
料金
2GB | 無料 |
2TB | 月額1,650円 (年間プラン15,840円) |
無料プランと有料プランの2つのみです。
クラウドストレージ以外に保存する
クラウドストレージは、いつサービスや料金体系が変わるか分かりません。あとは、Web上に保存することになるので、セキュリティー上不安にもなります。
そういった心配もあるので、自宅のパソコンなどに保存する方法もあります。
パソコンなどの自分の端末に画像や動画を取り込む事により、画質の劣化がなく、オリジナルの状態で保存することができます。
また、クラウドストレージのように、プランの料金変動や、画像や動画の劣化がある可能性も無いので、確実性と安心性があります。
パソコンに保存する方法①(USBケーブル)

まずは手持ちの自宅のパソコンに保存する方法です。
パソコンに保存する実用的な方法はいくつかあります。
もちろん一つ一つメールで添付して転送したりというのは大量の写真や動画に対しては論外なので、省略します。
パソコンに画像や動画を保存する方法の一つ目が、USBケーブルでPCと接続する方法です。
USBケーブルは、iPhoneを充電する時に使っているケーブルで大丈夫です。
そのケーブルで、iPhoneとパソコンを繋ぎます。
パスコースの入力が必要になる場合がありますが、認識すると、パソコン側にiPhoneのデータが表示されます。

「Apple iPhone」など、バージョンなどによって名称が異なるかもしれませんが、クリックすると、iPhoneストレージ名が表示され、さらにクリックすると、バージョンなどによって異なるかもしれませんが「DCIM」というフォルダが表示されます。このDCIMはDigital Camera IMagesという意味で、ここではスマホのデジタルカメラで撮影されたものを意味します。
そちらをクリックすると、

このような感じでフォルダが表示されます。
これは撮影された日付順になっており、iPhoneで作成したフォルダは無く、実際写真などを選別するとなるとかなり見にくいです。
何より、iPhoneで作成しているフォルダ構成で写真をバックアップすることは不可能なので、この方法は写真を整理してバックアップしたいと考えた場合は難しいでしょう。
なお、このUSBケーブルをつなぐ方法でiPhoneと同じフォルダ構成でWindowsにバックアップするには、「CopyTrans Photo」というソフトを使えば出来るようです。
ただサードパーティ製のソフトウェアなので、ここでは紹介するのみに留めておきます。
パソコンに保存する方法②(Bluetooth)
iPhoneのBluetooth(AirDrop機能)でWindowsパソコンに転送出来るかなと思ったのですが、どうやらBluetoothを使ってのiPhoneからWindowsの画像や動画の転送は出来ないようです。Macパソコンなら出来るようですが、今回は割愛します。
パソコンに保存する方法③(ファイル共有機能)
iPhoneからパソコンに写真を転送する方法の中でおすすめの方法は、パソコンのファイル共有機能を使った方法です。これはなかなか紹介しているサイトが無いですが、かなりおすすめの方法になります。
少し知識は必要ですが、慣れればかなり楽です。
WifiでパソコンのIPアドレスを指定して、パソコンの共有フォルダに写真や動画データを入れ込む方法になりますが、iPhone側で、見やすい写真アプリから写真や動画データを選択してコピー出来るので、操作性が良いです。
では、手順を書いていきます。
配線図

このように、iPhoneがルーターを介してパソコンと接続されている状態にしておいてください。
要は、パソコンの無線LAN設定をしているルーターに、iPhoneのWifi設定をしておく必要があります。
パソコンとルーターは、有線LANでも構いません。
ちなみに必ずしもインターネットに接続しているルーターでなくても大丈夫です。
その詳細は後述します。
パソコンのローカルIPアドレスを固定する
まず、パソコン側のローカルIPを固定しておきます。固定しなかったらその都度毎回パソコン側のローカルIPアドレスを同じ手順で調べてiPhoneからアクセスしないといけなくなるので、固定しておきます。
Windows10でしたら、
コントロールパネル
(右上の表示方法は「カテゴリ」を選択)
(右上の表示方法は「カテゴリ」を選択)
↓
ネットワークとインターネット
↓
ネットワークと共有センター
↓
アダプター設定の変更
↓
Wifi(有線LANならイーサーネット)を右クリック
↓
プロパティ
↓
インターネットプロトコル バージョン4を選択
↓
プロパティ
の順にクリックすると、以下のような画面になります。

元々はおそらくどちらも「自動的に…」の方が選択されているかと思います。
こちらに設定していくのですが、こちらはルーターのメーカーによって変わってきます。
ルーターの説明書を見れば、ルーターの画面にログインする際に入力するIPアドレスがありますので、そちらを「デフォルトゲートウェイ」と「優先DNSサーバー」に設定します。おそらく最後が「〜.1」になっているかと思います。
例えば、大体バッファロー製のルーターを使っていれば、192.168.1.1や、192.168.2.1などになっています。
サブネットマスクは基本的に
255.255.255.0
で大丈夫です。
IPアドレスは、最後の一桁のみ、2や3や4など、1以外の数字に変更します。
パソコンのユーザーの確認
Windowsも、一台のパソコンに複数のユーザーアカウントを作成出来ます。今自分がログインしているユーザーのアカウントIDとパスワードを確認します。
パスワードが設定されていれば、パソコン起動時に入力するかと思いますので、そのユーザーアカウントとパスワードを後述で使います。
パスワードを設定してなかった場合、どうやらiPhoneからは接続出来ないようなので設定します。
コントロールパネル
↓
ユーザーアカウント
↓
PC設定でアカウントを変更
↓
サインインオプション
↓
パスワード
↓
追加
にて、パスワードを追加します。

iPhoneのファイルアプリからアクセス
iPhoneのファイルアプリを開き、
メニューより、

サーバーへ接続を入力します。

こちらは先程入力したIPアドレスになります。
入力し「接続」をタップすると、

こちらの画面になります。
「登録ユーザ」を選択し、
パソコンのユーザーアカウントのIDとパスワードを入力し「次へ」をタップします。
無事接続し、Windowsの共有フォルダにアクセス出来たら成功です。
写真や動画の保存方法
それでは設定は出来たので、実際に写真や動画をパソコンにバックアップを取っていきます。
写真アプリから、右上の「選択」より、パソコンに送りたい写真や動画を選択します。

選択後、左下のアイコンをタップします。

ここで「ファイルに保存」をタップします。

すると先ほどのIPアドレスが表示されてますので、そのIPアドレス内の任意のフォルダ内に保存します。
そうすると、パソコンの共有フォルダ内に保存され、パソコンに取り込む事が出来ます。
このように、操作しやすい写真アプリから好きな写真や動画を選択して任意のフォルダに保存出来るので、自分の好きなようにまとめて行くことが出来るので嬉しいですね。
NASに保存する
さて、ここまで出来たら応用です。iPhoneの写真や動画をパソコンに取り込むのもよいですが、iPhoneのバックアップ専用のハードディスクを持ちたくなるでしょう。
本来であれば外付けハードディスクはパソコンとUSBに接続しないといけないのですが、NAS(Network Attached Storage)はパソコンではなくルーターに接続し、家庭内ネットワークとして使える機器です。
なのでNASであれば、先程と同じようにWifiでIPアドレスを選択して保存出来て、なおかつiPhone専用のバックアップ媒体として使うことが出来ます。
配線図

設定方法
こちらは、NASのメーカーや製品によって変わって来ますが、大体はアプリで設定します。パソコンから設定するパソコン用アプリか、スマホから設定するスマホ用アプリもあります。
設定出来ると、上記のパソコンへの保存と同じような方法で、写真アプリからバックアップができます。
ただ、製品によっては固まったり転送が遅かったりするようです。
自分の場合も、iPhoneの写真アプリから写真を選んで、「ファイルに保存」をタップすると、そこで何も表示がされなかったりします。
通信が通ってないからファイルアプリからもアクセス出来ないはずが、ファイルアプリからはアクセス出来ています。
製品や相性にもよるのかもしれませんが、どこかiPhoneとNASは不安定なイメージがします。
写真アプリから写真を選択して「ファイルに保存」より、IPアドレスを選択して保存すると、

のようなエラーが出ました。
ファイルアプリからそのIPアドレスに接続されているか確認すると、問題なくしていました。
あとは、ファイルをコピー貼り付けした時に、このようなエラーが出たりしました。

この後ファイル名は表されますが、中身は0KBになっていました。
かなり不安定で、Appleやメーカーに電話しても解決しませんでした。
NASは相性の問題もあるようなので、あまりおすすめしません。
あと致命的な問題で、2022年4月現在、ファイルアプリの
- iCloud
- このiPhone内
なので、いちいちファイルをタップして写真内容を確認しないといけないので、とても煩わしいです。
システムの仕様の問題で改善される可能性はあるかもしれませんが、これだとあまりバックアップする意味がありませんね。
サードパーティのアプリを使えばサムネイルの表示は可能のようですが、サードパーティのアプリを使うと、iPhoneとローカル環境のみで全てセキュアに完結する意味がなくなる気もします。
ファイルアプリのiCloud Driveにバックアップ
色々考えたり試したりしましたが、最良の方法は、写真アプリの「自動バックアップ」をオフにして、ファイルアプリ内の「iCloud Drive」に、重要な写真アプリ内の写真や動画をコピーしていく方法でしょう。この方法は、iCloudの容量も抑えられ、且つまるでパソコンのエクスプローラーのようにフォルダ階層を作って保管できるので便利です。
写真アプリの「自動バックアップ」をオフにする方法は最初に書いてありますので省略しますが、写真や動画のコピーの手順は、
写真アプリ内で、

右上の「選択」より、

写真を選んで左下のアイコンをタップ、

「ファイルに保存」をタップ、

ここで、「iCloud Drive」内の、ペーストしたいフォルダを選択します。
やはりサードパーティではなく、Apple製品はApple内で完結したいですね。
一周戻ってiCloudのプランを上げる
iCloudの2TBの月々1300円プラン
ファイルアプリのiCloud Driveに保存する方法も良いのですが、結局その都度移動するのが面倒になって来ました。あと、ファイルアプリは写真アプリよりも安定していないイメージがあります。
その上、このファイルアプリのiCloud Driveにその都度保存するやり方は、2022年現在プログでも全く見なく、あまり一般的ではないみたいです。
やはり写真や動画編集をしていると、まとめる手間とかも時間を惜しんだりするので、写真アプリ内でまとめているのを、少々月々の料金が高くなってでも、自動でiCloudにバックアップするのがいいかもしれません。
最後に・・・
今回は- クラウドストレージに保存する
- クラウドストレージ以外に保存する
- 一周戻ってiCloudのプランを上げる
最後までお読み頂きありがとうございました。
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